前回は「登山ならではの絶景」と題して、雲海やモルゲンロート、ブロッケン現象などを紹介しました。
今回は、積雪期、つまり雪山ならではの珍しい景色をご紹介します。
樹氷、霧氷
木に氷がついているものを霧氷と言いますね。
一般的に有名なのは、蔵王の樹氷。
これは3月後半の写真で、腐りだしていましたが、まだまだ立派でした。
蔵王ほど立派ではないですが、福島県の西吾妻山でも樹氷原を歩くことができます。
樹氷ですが、風が木にあたり、空気中の水分が瞬間的に凍って成長していきます。
これは八ヶ岳での写真ですが、右側(西側)から風が吹くので、右側に氷が発達していきます。
八ヶ岳は風が強いので、あまり大きくなる前に氷が落ちてしまうようです。
木の表面だけに氷がつく霧氷もとてもきれいです。
こちらは日光白根山での霧氷。
日光白根山は霧氷が出やすいのか、冬に2回行って2回とも霧氷を見られました。
こちらは美ヶ原の霧氷。
やはり霧氷と青空は非常に美しいです。
こちらは甲武信ケ岳。意外と東京近郊でも見ることができます。
こちらは四国の石鎚山の霧氷。
冬の冷え込んだ時の朝は、霧氷を見られることが結構あります。
青空に霧氷は絶景です。
紺碧の青空
雪山では、白い雪がうまく演出してくれるのか、空が本当に青いです。紺碧というべきか、群青色というべきか。いずれにせよ、紺碧の青空と白い雪のコントラストが非常に美しいです。
こちらは木曽駒ケ岳の登りはじめ。
空の青さが目に沁みます。
こちらは、唐松岳へと登る八方尾根から見た白馬三山。
八方尾根は風が強いですが、絶景登山です。
先ほどのものと重複しますが、霧氷と青空も最強の組み合わせです。
大雪原
北海道や東北に住んでいる方なら、大雪原はありふれたものなのかもしれませんが、その他の地域に住んでいると、人の足の入っていない大雪原は感動ものですね。
こちらは尾瀬のアヤメ平に、GWに行った時のものです。
みな至仏山や尾瀬ヶ原に向かうので、アヤメ平は本当に静かで、素晴らしい景色が広がっています。
こちらは真冬の美ヶ原。
アクセスの悪さで人が少ないですが、ホテルもあるし、初めての雪山トレッキングとしてもいいですね。
雪見風呂
大自然の中で、雪を見ながら野天風呂に入る。最高ですね。
こちらは白馬三山の白馬鑓ヶ岳から少し下ったところにある白馬鑓温泉。
夏場は小屋ができていますが、冬は静かなところです。
猿倉までの道路が開くと人が一気に増えますが、猿倉までの道路が閉鎖されているときはBCスキーの人が少し来るくらいで、露天風呂も独り占めできます。
最高です。
ただ、このあたりは雪崩の巣なので、行く際には十分な装備とスキルを持って臨んでください。
氷瀑
氷と言えば、滝が凍った氷瀑もなかなか見られないものですね。
こちらは日光の雲竜渓谷の氷瀑。
川沿いに高さ10mほどの立派な氷瀑が並んでいます。
一番奥には高さ70mほどの雲竜瀑があり、本当に見事です。
雲竜爆はすっかり有名になり、駐車場を確保するのが至難の業になってしまいましたが、苦労しても見に行く価値のあるものです。
雲竜渓谷ほど大きくないですが、日光の戦場ヶ原の庵滝、八ヶ岳の横谷峡でも氷瀑を見れますよ。
青い湖
凍っていた湖が解けてくると、湖が青く見えます。
こちらは八幡平。
まだ解ける前で青さが足りませんが、結構きれいでした。
もう少し時間がたつと、縁だけ解けて、ドラゴン・アイと言われる見た目になるそうです。
こちらは立山のみくりが池。6月上旬ころです。
水が不思議なほどの青さですね。
最後に
雪山ならではの景色、いかがでしたか。
雪山は人が少なく、きれいな景色の宝庫です。
十分な装備とスキルで、雪山ならではの景色をお楽しみください。
これから雪山を始めようという方は、「雪山登山の始め方 既存装備での安全なお試し方法&ルート」を参照ください。