登山を始めた当初は日帰りばかりと思いますが、泊りにすると、行く範囲が広がり、夕日&星空&日の出が見られて、楽しみが広がりますね。
泊りの際には、山小屋で泊るかテントで泊るかとなりますが、今回は山小屋で泊る際のマナーなどをお伝えします。
山小屋ってどんなとこ?
山小屋は山の麓や山の中にあり、食事や宿泊ができるところです。
山のふもとにある山小屋は旅館や民宿と似たようなところが多いですが、山の中の山小屋は限られた場所・水・食料で宿泊サービスを提供しているため、旅館や民宿とは大きな違いがあります。
- 男女共通の相部屋が基本
- 小屋により男性用・女性用に分かれているところもあるが、個室のある山小屋は少ない
- 1人布団1枚分(1畳程度)が基本。混雑時は3人で布団1枚ということも
- 泊まりに来た登山客は受け入れる山小屋がほとんど(登山者の安全確保のために、混雑しても受け入れるべきという考え)。このため盆休みなどは激混みする
- 食料や燃料は人やヘリコプターで担ぎ上げられ、ゴミや排泄物も担ぎ下ろされていることが多い。水も水場からポンプで引き上げられている貴重品。
小屋泊のマナー
こうした山小屋に宿泊する際の具体的な注意点です。
予約
- 旅館や民宿と同様に予約するのが基本です。
ただ、小人数なら予約不要という山小屋も多いので、Webで確認しましょう。
到着
- できれば15時まで、遅くとも16時までには到着して受付を済ませましょう。やむを得ず遅れる場合は小屋に連絡を入れましょう。
- 雨の時のレインウェアや雪の時のアイゼンは、脱いでから建物内に入りましょう。
受付
- 受付時は旅館などと同様に氏名、住所を記載するとともに、翌日の予定を記入します。受付時に前払いで料金を支払います。通常、支払いは現金のみです
- 寝床の場所、トイレの場所や使用法、水やお茶の提供場所・有料/無料、食事や消灯の時間を確認します
- 小屋によっては、朝食の代わりに弁当に変えることができる場合もあります。
小屋で過ごす
- 1人布団1枚分(1畳程度)が基本です。靴やザックなど、決められたところに整理しておきましょう。
- 翌日の靴の履き間違いがよく発生するので、他の人にも気づかれやすい目印をつけておく方が無難です
- ゴミはすべて持ち帰ります(小屋で買ったもののゴミは受け取ってもらえる場合もありますが)
- トイレットペーパーはトイレに流さず、横にあるゴミ箱に入れます
- 狭い場所に多くの人が集まるので、大きな声や物音を立てないようにしましょう。
- 天気がよければ外のベンチで景色を見ながら過ごすのがオススメですね
- 休憩スペースに登山雑誌や登山マンガ(「岳」など)が置いてあることが多いです。これらを読むのもいいですね
- 着替えの場所はあったりなかったり。小屋で着替えすることを前提にしないほうがいいと思います。気になる人は汗拭きシートを持参しましょう。
- 天気がよければ、日の入り、星空、日の出はぜひ見ましょう。防寒に要注意!
夕食
- 夕食は17時から18時頃の山小屋が多いです。入れ替え制で宿泊者は何回かに分かれて食事が提供されます
- 食料は大変な労力で担ぎ上げられていますし、残飯が出ても困ります。ありがたく残さず食べましょう。
- アレルギーがある人は事前に小屋に電話して相談しましょう。ある程度対応してくれる山小屋、その場で原材料を聞いて自分の食べられるものを選ぶ山小屋、自分で食料を持ち込むべき山小屋など、色々です。
就寝準備
これが実はとても大切です。翌日の準備をしっかりしておきます。
- 夜中に目が覚めてトイレに行ったり水分補給したりするために、枕元にヘッドライトと水分(ペットボトルなど)を用意します
- 荷物の置き場所を取らないように、また翌朝静かに出発できるように荷物をまとめておきます
- この荷物まとめをする際にビニール袋はクシャクシャと音が響くので、音が出にくいスタッフバックなどを使う方がいいです。早くに寝る人もいるので、食事前の明るいうちにある程度片付けておく方がいいです
- 石鹸や歯磨き粉は使用しないのが基本です
消灯・就寝
- 21時消灯という山小屋が多いです。ただ、早くから眠りにつく登山者も多いです
- アイマスクや耳栓が重宝します。
起床、朝食
- 季節により山小屋の朝食時間は結構変わります。5時という場合もあれば、7時半という場合もあります。
- 朝食の少し前に電灯がつきます。
- 朝食を食べずに3時に起きて出発する登山者もいます。その物音で目が覚めることも多いです。朝食時までぐっすり眠れると思わず、前日早めに就寝すべきですね
出発
- 朝食をとったら準備をして出発します。登山では早立ち早着きが基本です。もちろん、時間のある人はゆっくり出発しても問題ないですが、小屋の人が片付けに入るので、布団は早めに空ける必要があります。
終わりに
慣れてくるとテント泊にシフトしていってもいいでしょうが、まずは小屋泊で泊りでゆっくりと山に浸ってみてください。
初めての山小屋泊は色々と気になることが多いと思います。
空いている時期に、それほど混雑しない小屋で一度経験してみるといいかもしれませんね。