雪山装備の揃え方 歩行道具 靴/アイゼン/ピッケルの購入順序

雪山登山の始め方 既存装備での安全なお試し方法&ルート」では、初めて雪山にお試しで登るときの注意点について記載しました。
そこで雪山に行ってみて、今後も雪山に行き続けたい、となると、雪山道具をそろえることになります。

ただ、この雪山道具を揃えようとすると、非常にお金がかかります。また、そもそもどんなものを買えばいいかもわからない。
そこで、独断と偏見で、どんな雪山道具をどういう順番で揃えるのがいいのかをまとめてみます。今回はまず歩く際に必要となる道具から。

雪山登山靴

春~秋の3シーズン用登山靴で雪山に行くと、足の先が冷たく、痛くなります。防寒の重要性が身に染みて、防寒性能の高い登山靴が欲しくなります。

雪山登山靴は、春~秋用の登山靴とは以下のような点で異なります。

  • 保温材が入っていて防寒性能が高い
  • アイゼンを装着して安全に歩けるように、底が固い
  • ワンタッチアイゼン、セミワンタッチアイゼンを装着できるように、かかとにコバがついている

こうした特徴を持っているために、いくつかの制約が出てきます。

  • 底が固いので夏山だと歩きづらい。雪山専用になる
  • 値段が高い

値段が高いのに夏山では使えない、そんな雪山登山靴を買うか、ということになります。
雪山をガッツリやる、防寒性能重視、という場合には、雪山登山靴を買うといいでしょう。
まだそこまでの覚悟がないという場合には、4シーズン対応の重登山靴でしばらく雪山に行く、というのも一案だと思います。

私はモンベルのアルパインクルーザー2500という4シーズン対応の重登山靴で、雪山テント泊までしています。
晴天の時のみ雪山に行くというルールを守っていれば、凍傷の危険を感じたことはありません。
ただ、歩いているとやはり足先が冷たく感じますし、靴底が少し柔らかいため歩いた際のアイゼンの密着度は厳冬期用より低いので、厳冬期登山をするようであれば、専用の厳冬期登山靴を買った方がいいと思います。
詳細は、「モンベル アルパインクルーザー2500は雪山登山に使えるか?」を参照ください。

雪山登山靴を買うのであれば、いくつか注意点があります。

  • 防寒のために靴下も分厚いものにすべきですので、それに合わせて靴のサイズも少し大きめになると思います。分厚い靴下を持参してorその場で購入してサイズをチェックしてください。
  • 随分以前は皮靴でしたが、その後、少し前まで雪山登山と言えばプラスチックブーツが主流でした。ただ、プラスチックブーツは経年劣化でプラスチックが突然割れます。雪山において靴が割れるのは致命傷です。よく言われるのが、プラスチックの寿命は5年、というものです。実際にはもう少し使えますが、怖いですよね。最近はナイロンを主体に皮を併用したタイプが主流になっているようです。素材にも注意してみるといいですね。

どうせ雪山登山靴を買うのであれば、妥協せず、納得できるものを買ってください。

アイゼン

雪の上を歩くというと必要なのが、アイゼンですね。
夏山でも雪渓を進む際に必要となる軽アイゼンやチェーンスパイクがありますが、雪山では心もとないですね。しっかりしたアイゼンとなると、10本爪か12本爪のアイゼンです。
アイゼンは一生ものと言うと言いすぎですが長く使うので、どうせ買うなら高いレベルにまで対応できる12本爪がオススメです。足がよほど小さい人でなければ、10本爪を選ぶ理由はないように思います。

アイゼンを購入する際の注意点は、靴と合うアイゼンを購入すべき、ということ。
サイズだけではなく形が合っていないと、歩行中に外れたりして非常に危険です。登山靴を履いて店頭に出向き、靴に合うことを確認してから買いましょう。
また、可能であれば、今履いている靴よりも大きなサイズにまで対応しているアイゼンがよいです。雪山をこれから始めようという場合、雪山登山靴は持っていないと思います。今後雪山登山靴を買うとなると、雪山登山靴は保温材など含めて厚みがあるので靴が大きくなります。その大きくなった靴にもアイゼンが対応しているといい、ということです。ただ、雪山登山靴と購入済みのアイゼンの形が合うかどうかはわからないので、「できれば」というレベルの注意点ですね。

私が持っているのは、以下のグリベルG12ニュークラシックです。

個人的には、チェーンスパイクと12本爪アイゼンの2つを持っていれば、夏・冬どちらも事足りると思います。
チェーンスパイクは着脱が楽なので、夏山の設計はもちろん、初冬の山などでも活躍します。

ピッケル

雪山の象徴のようなピッケルですが、雪山初心者レベルだと出番がほとんどありません。
傾斜が急だとピッケルが必要ですが、そのような急坂のある雪山は、雪山初心者レベルだと時期尚早です。
一方、傾斜が緩やかだとピッケルは不要で、ストックのほうがいいです。

ということで、ピッケルはなかなか出番がありません。ある程度冬山登山の経験を重ねてからの購入でよいと思います。

ただ、雪山に行くのにピッケルを持っていないのか、と白い目で見られることがあるかもしれません。また、ごく短い箇所の急坂でピッケルがあったほうが安心、ということもあります。
心配なら、縦走用の少し長めのピッケルを1つ買うのもいいですね。
私が持っているのは縦走用、少し長めのピッケルで、軽くて持ちやすいです。

最近は、傾斜が緩やかならストックなので、ピッケルは傾斜のきついところ専用として短いものを買うのが主流のようです。

雪壁を登るような本格的な場合には、持ち手自体も変わってきますね。

なお、ピッケルは買えばOKというものでなく、使い方がわかっていないと無用の長物です。
滑落停止訓練など、使い方をマスターしましょう。

ストック

ピッケルの欄にも記載しましたが、雪山でもストックは活躍します。雪の上を歩くとバランスを崩しやすいので、ストックでバランスを取ったり、多少浮力を稼いだりすると、楽に歩けます。

ストック自体は夏山と同じもので大丈夫です。スノーバスケットだけ追加で用意しましょう。
私は以下のストックを購入したのですが、ストックにスノーバスケットも付属していて、オトクでした。

スパッツ

雪山を歩く際には、スパッツは必須です。
雪が靴の隙間に入るのを防ぐのが目的ですが、アイゼンでズボンを破かないようにカバーする、防寒になる、といったこともあります。

夏用の薄いスパッツと異なり、雪用のスパッツは厚く、アイゼンなどで引っ掛けても破けにくいように補強がされています。
最初は夏用のものを流用してもいいですが、本格的に雪山登山するなら、冬用スパッツを用意したいですね。
私は雪山用として、PAINEのGORE-TEXのスパッツを持っています。

スノーシュー、ワカン

雪深いところを歩く際には、足が沈むのを抑えるために、スノーシューやワカンを使います。
ワカンとは輪かんじきの略で日本のかんじきで、スノーシューは西洋かんじきと言ったりします。

 スノーシューワカン
浮力大きい小さい
重さ重い軽い
きつい傾斜登れない登れる
アイゼン装着基本的にNG基本的にOK
価格高め安め

上記の通り、スノーシューは雪が深く傾斜が緩やかなところを歩くためのもの、ワカンは雪がそれほど深くないところでオールマイティーに使うもの、という位置づけです。
両方持っていて使い分ける人も多いです。

2つともトレースがあれば使わないことが多いですし、当初は購入不要と思います。必要になった際には、自分がどこに行きやすいかを考えて、合うものを買う、ということになります。

私は雪山トレッキングではなく雪山登山なので、汎用的に使えるワカンを持っています。スノーシューが欲しいなと思うシーンもありますが、価格を考えると当分買うことはないですね。

私は以下の2つを持っています。
どちらも似たような感じですが、EXPERT OF JAPANのほうが装着しやすいが浮力がやや弱い、といった印象です。

終わりに

購入する順番としては、4シーズン靴を持っていれば、12本爪アイゼン、ピッケル、雪山登山靴、の順番だと思います。
雪山に対応する4シーズン靴を持っていなければ、雪山登山靴と12本爪アイゼンをセット購入、その後にピッケルという順番でしょう。
夏山用のスパッツを持っていれば、まずはそれを使いますが、なければ必ず購入してください。長く雪山登山を続けるなら、雪山用スパッツの購入は必須です。

回数の比較的少ない雪山登山のために、高価な装備を購入するので、失敗しない装備選びを!

私が実際に使っている道具は、「私の雪山登山装備」に記載しています。
まだ読んでいない方は「雪山登山の始め方 既存装備での安全なお試し方法&ルート」もどうぞ。

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