初心者が登山をやってみてハマった際に、スキルアップしようと思えば、かの有名な百名山をターゲットに色々な山を登るのがオススメです。
百名山とは
百名山とは、作家で登山家の深田久弥が、自分で実際に登った山の中で、品格・歴史・個性を兼ね備え、かつ原則として標高1,500 m以上の素晴らしい山を選んだものです。
深田久弥は戦中・戦後まもなくに山に登っており、その後の国土開発や登山の大衆化で、深田久弥が愛した山容とは大きく姿を変えた山も多々あります。
ということで、その後に新日本百名山など別の百名山も出てきています。
また、二百名山、三百名山というものもあります。
という状況なのですが、初心者が中級者へとスキルアップしようとすると、百名山へ登るのがいいと思います。
百名山が登山スキルアップに最適な理由
百名山を制覇すべき!ということではなく、登るときに百名山に挙げられている山を優先的に選ぶのがオススメということなのですが、これは以下の理由です。
- 安全面
- 百名山は登る人が多いので、頻繁に人とすれ違うので、道に迷いにくいし、何らかのアクシデントがあった際にも対応を取りやすい
- 登山道がよく整備されている
- 登山口へのアクセスがよいところが多い(アクセスの悪いところもありますが)
- 登山道中に山小屋などの設備のあることが多い
- スキルアップ面
- 低山から高山まで、なだらかな山から急登まで、土の道から岩場まで、コースタイムが1時間程度から2泊3日まで、様々なバリエーションがある
- 楽しみ面
- どの山もしっかりとした特徴があって、登っていて楽しい
- 時代が変わり、深田久弥の感じた楽しみとは異なるかもしれないが、それでも十分に楽しい
- 下界を見下ろす景色、四方を山に囲まれた景色、池塘(高層湿原)、高山植物などなど、バリエーションが豊か
- 百名山として意識すると、登った山で周囲を見渡した際に別の百名山が目につくようになるので、次はあの山に登ろう!と次の目標ができやすい。また、色々な地域があるので、登った先で1つの山を色々な角度から見ることになり、1つの山をより深く楽しめる
- どの山もしっかりとした特徴があって、登っていて楽しい
つまり、色々なバリエーションのコースを比較的安全に登れる上に、登っていて楽しい、ということです。
百名山のバリエーション例
百名山には色々な楽しさのバリエーションがありますが、いくつかご紹介します。
下界を見下ろす景色
こちらは5/20に福島県の磐梯山に登った際の、猪苗代湖を見下ろす景色です。
ちょうど田んぼに水が張られた時期で、水田と猪苗代湖が一体化しているかのようで、一説では日本一の田園風景とのことです。
こちら富士登山時に、富士市方面の夜景を撮影したものです。
街を見下ろすのもなかなかいいものです。
四方を山に囲まれた景色
こちらは至仏山に登った際に、尾瀬ヶ原を撮影したものです。
見ての通り尾瀬ヶ原は周囲を山に囲まれており、尾瀬ヶ原にいれば周囲は全て山です。
槍ヶ岳のように、山頂で周囲に同じくらいの高さの山に囲まれている景色も、素晴らしいです。
その他、美ヶ原からの北・中央・南アルプス&八ヶ岳の展望なども有名です。
間近の高山の大パノラマ
こちらは長野県の常念岳から見た槍ヶ岳の雄姿です。
こちらは鹿島槍ヶ岳から見た剱岳の雄姿。
間近に圧倒的な迫力で高い山が迫っているのは、私の一番好きな景色ですね。
その他、鳳凰三山から見た北岳・間ノ岳・農鳥岳なども圧巻です。
池塘(高層湿原)
こちらは苗場山の池塘。
晩秋で、やや草紅葉の色がくすんできていますが、それでもきれいですね。
こちらは青森県の八甲田山の毛無岱(けなしたい) 。
個人的には、毛無岱の紅葉が日本一だと思います。
その他、平ヶ岳、会津駒ケ岳、巻機山、妙高・火打などの池塘も有名です。
野生動物
こちらは鹿島槍ヶ岳の登山中に出会った雷鳥。
冬に備えて真っ白になっています。
目の上が赤いので、オスですね。
夏になると、毛も黒く生え変わります。
シカも定番です。
写真には撮れませんでしたが、カモシカやキジに出会うこともあります。
高山植物
こちらは、雲の平から見た水晶岳。
手前の雲の平は高山植物の宝庫です。
街の植物に興味はわかないのですが、登山中の植物はきれいで、写真を撮り、名前を覚えるようになっています。
植物といえば、紅葉も綺麗です。
こちらは那須岳。
穂高の麓の涸沢カールや安達太良山、立山、木曽駒ケ岳なども紅葉の名所です。
終わりに
近所の低山から登山を始めて、登山を続けようと思ったら、百名山の山をピックアップして登ってみてはいかがでしょうか。
百名山を制覇すべきと思う必要もないですが、安全、スキルアップ、楽しみ、色々な点でオススメです。