残雪期の剱岳に1泊2日で登った際の記録です。
6月といえば夏で、都心ではずいぶんと暑くなってきますが、北アルプスの高山ではまだまだ雪がたっぷりでした。
累積標高(上り): 3538 m
累積標高(下り): -3547 m
関東からだと立山の玄関口は扇沢です。
扇沢に駐車して、立山黒部アルペンルートを通って立山の室堂へとアクセスします。
室堂を降りて西側(富山側)を見ると、雪の大谷の準備中。
始発で来たので人が少ないですが、これからどんどん人が増えてくるのでしょう。
まずは雄山に向けて、一の越山荘へと歩いていきます。
歩き始めは雪はありません。
目を右に向けると、ミニ雪の大谷。
少し歩くと雪が出てきます。
途中でアイゼンを装着しましたが、ツボ足で十分でした。
と言うのも、一の越山荘の手前で雪がなくなったのです。
雄山の方も、ほぼ雪はありません。
アイゼンを外して雄山へ。
南西には龍王岳。
こちらは結構雪が残っていますね。
急坂を登ると、無事に雄山登頂。
奥には槍、水晶、黒部五郎、薬師といった百名山が一望できます!
北には剱岳。
今日はあの麓まで行きます。
立山は雷鳥に会える確率がとても高い気がします。
これは目の上が赤いので、オスの雷鳥ですね。
眼下には室堂のターミナルや地獄谷のホテルなどが見下ろせます。
何だか真上から見ているような気がしますね。
立山の雄山〜大汝山〜富士の折立の間は、多少雪はありましたが、ほぼ夏道でした。
別山のあたりまで来ると、剱岳も大きくなります。
今日は麓の剱沢キャンプ場まで。
劔沢キャンプ場は完全に雪の中。
かろうじてトイレの入り口は雪かきされていました。
ありがたい!
今夜の寝床。
この日は2張り。
もう1張りは3人組でした。
翌朝、これからがメインイベントの剱岳登山。
朝日が応援してくれます。
雪が赤く染まります。
快晴でいい登山日和になりそうです。
雪が緩む前の早い時間に剱岳からは下山完了する予定です。
剱岳への道は、夏道と雪道が混じっています。
基本は夏道を通っていきますが、
こんな風に途中で雪の上を通る必要が出てきて、アイゼンをつけたり、はずしたり、面倒です。
このあたりは夏道。
○印を頼りに進んでいきます。
有名な鉄の橋も夏道が出ていて、安心ですね。
この後、夏道通りに進もうとすると、雪に阻まれて下れません。
一度元に戻って、
下山用ルートを使って先に進みました。
このあたりはずっとアイゼンを外していましたが、平蔵の頭からの下りの急坂はさすがにツボ足だと危険なので、アイゼン、ピッケル装着します。
最初は雪壁の方を向いてピッケルを刺しながら下っていくクライムダウンで、傾斜が緩くなった途中からは前向きに普通に歩いて通過しました。
通過した平蔵の頭を振り返って。
よく見ると、足跡が残っていますね。
平蔵の頭から下ったところが平蔵のコル。
ここには雪がありますが、
カニのたてばいから先は雪がありません。
平蔵のコルでアイゼンを外して、ピッケルもしまって、岩場に取り付きます。
夏道なので、鎖も利用して登っていきます。
そして、無事に剱岳に登頂!
手前には立山、奥には槍・穂高や水晶岳。
その右には笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳。
東には、白馬三山、唐松、五竜、鹿島槍といった後立山連峰。
素晴らしい絶景ですね。
下りはカニのよこばいですが、こちらも雪はありませんでした。
残雪期はたてばいで登り・下りを行うので、写真に写っている人は登りの方です。
雪がないので、私は夏道同様にカニのたてばいで登ってしまいましたが。
下山はせっかくなので、平蔵谷で。
雪崩の危険のあるところですが、まだ時間も早く、歩いた感触として雪も締まっているので大丈夫だろうという判断です。
無事に平蔵谷を下り終えて、下ってきたところを見返します。
ここからは剱沢キャンプ場まで登り返しです。
無事にテントまで戻り、テントを片付けて帰路につきます。
剱沢を頑張って登ると剱御前小舎。
ここから雷鳥沢キャンプ場へと急坂の下りです。
せっかくなので、足裏をスキー板のようにして滑るグリセードを練習しました。
そして、とても楽しみにしていた、
雷鳥沢ヒュッテの温泉!
湯船からは立山の雄大な景色が望めます。
源泉掛け流しですが、熱すぎて水を入れながら入りました。
この雷鳥沢ヒュッテの温泉は、私が一番好きな温泉です。
温泉をたっぷり堪能したあとは、室堂に向けて坂を登って帰るだけ。
ミクリガ池も雪が解けて、きれいな青色になりつつありました。
要所の雪が解けていて、それほど危険度も高くありませんでしたが、雪の状態によって危険度が大きく異なると思います。
事前の情報収集と現地での判断が重要になりますね。
残雪期の剱岳は人も少なく、晴天にも恵まれ、とても楽しい山行となりました。