私の一番の趣味は登山ですが、お寺巡りも好きです。
出張などで地方に行った際に、時間の余裕があれば寺社仏閣を巡るのですが、個人的には京都のお寺が別格です。
ということで、京都のお寺の中でいいと思ったところをご紹介します。
仏像No.1=東寺
東寺には金堂と講堂という2つのお堂があります。
金堂は空海が来る前から建てられていたもので、不老長寿を司る薬師如来が本尊です。
講堂は空海が来てから建てられたもので、空海の真言宗らしく、宇宙の法を司る大日如来が本尊となっています。そして、立体曼荼羅(マンダラ)と言って21体の仏像が意味を持って並べられています。
如来は悟りを開いた後のお釈迦様を表しており非常に簡素な衣服ですが、大日如来だけは仏の王様ということで飾りがついています。
菩薩は悟りを開く前のお釈迦様を表しており、インドの王子様だったお釈迦様の姿として多くの装飾がつけられています。
明王と天は、仏の世界を守る守護神の位置付けです。
明王はもともとの仏教から存在していた仏ですが、天は地方宗教の神を仏教に取り込まれて仏になったものです(たとえば、日本の恵比寿さんが恵比寿天となった)。
私はいつも、講堂の大日如来正面の壁際に座り、しばらくぼーっと大日如来とにらめっこしています。
私はもっと彫りの深い仏像が好みで、東寺の大日如来は一番の好みというわけではないのですが、なぜか大日如来とずっと顔を合わせていると自分の心の底まで見通されているような気がして、自分を見つめ直すいい時間を持てます。
お庭No.1=仁和寺
竜安寺や金閣寺の近く、京都の西に位置する仁和寺は、宇多天皇以来、代々皇族が住職を務める寺院となり、門跡寺院として最高の格式を持つ寺で「御室」仁和寺と言われています。
有料拝観の御殿には、いくつかの建物と南庭、北庭がありますが、私は北庭がとても好きです。
広々として、奥の五重の塔も奥行きを演出していて、気持ちがとても伸びやかになります。
いつも宸殿の端に座り、北庭を見ながらぼーっと過ごしています。
なお、比較的新しいものばかりですが、白書院、宸殿、黒書院の襖絵もなかなか見事です。
心が伸びやかになる寺No.1=圓通寺
圓通寺は京都の街中からは北に外れた行きにくいところにあるため、比較的観光客が少ないです。
そして、上記のように比叡山を借景にした借景庭園が望めます。
人が少ないところで広々とした借景庭園をのんびりと眺めることができます。
庭園自体の出来はそれほどでもないと思うのですが、比叡山の借景が素晴らしく、また何と言っても人が少なく気持ちも伸びやかになります。
のんびり過ごす寺No.1=宝泉院
京都の市街から離れた大原。
平家物語の建礼門院(平清盛息女、高倉天皇中宮、安徳天皇母)が出家後に過ごした寺として有名な寂光院や,三千院が有名な大原ですが,三千院のさらに奥にある宝泉院は、非常におすすめです。
のんびり過ごすには、一番です。
拝観料が800円と、このあたりにしては高めですが、それもお茶と菓子がセットの料金だから。
庭もそれほど広くないのですが、拝観客も少なく、都市の喧騒からも離れ、ただただ、ぼ〜っと過ごすことができます。
ピーンと張り詰めた厳しい雰囲気なら東寺、のんびりするには宝泉院、この2つが個人的には一番好きかもしれません。
コケNo.1=祇王寺
苔寺といえば西芳寺ですね。
確かに西芳寺の苔は見事だったのですが、一斉入場、一斉拝観で、また庭も整備がされすぎている印象で、あまり感銘を受けませんでした。
西芳寺は嵐山の中心地である渡月橋の南2kmほどですが、北1kmほどにあるのが祇王寺です。
渡月橋から北に向かうと、世界遺産の天龍寺やインスタ映えする竹林の小径などは人が多いですが、常寂光寺や二尊院など渡月橋から離れるにつれて人も減り、祇王寺のあたりは人もまばらです。
それほど期待せずに入ったのですが、人が少なくひっそりとした苔むした庭園は、心落ち着きます。
行ったのは年末12/30の夕方でしたが、google画像検索すると夏の頃の緑が濃い時期もとてもきれいなようですね。
ぜひ再訪したいお寺です。
密集度No.1=大徳寺
狭いところに多くのお寺が集まっているところとして好きなのは大徳寺です。
東福寺も多くのお寺が集まっていて、かつ素晴らしく、甲乙つけがたいのですが、好みで大徳寺を選びました。
大徳寺の中には塔頭(たっちゅう)と言って末寺としての小寺院が立ち並んでいます。
行ったのが春の特別拝観の時期で、黄梅院、龍源院、興臨院、瑞峯院、大仙院と見て回りました。
年末には高桐院にも行きました。
どれも素晴らしい禅寺の庭園で、また見事な襖絵も多々ありました。
常時拝観できる塔頭もありますが、ぜひ特別拝観の時期に参拝ください。
せっかく行くのであれば、黄梅院など必見ですので。
見所満載No.1=建仁寺
1つの寺で見所が多岐に渡るのは建仁寺でしょう。
2000年にできたばかりの双龍図、禅寺らしい石庭の方丈庭園、苔など緑の濃い潮音庭、俵屋宗達の風神雷神図(飾ってあるのはレプリカですが)、と見所満載です。
お寺の割にはマーケティングに走っているのでは?という気にもなりますが、それでも1つ1つが素晴らしいものであり、見応えもあります。
祇園にあり、いかにも京都らしいお寺と言えるでしょう。
初心者受けNo.1=清水寺
初心者の方にわかりやすいお寺といえば、清水寺か金閣寺でしょう。
私のおすすめは清水寺です。
建物としての見応えは金閣寺よりやや劣るかもしれませんが、随求堂という建物で真っ暗な中を進む胎内めぐりができる点で清水寺の方がトータルではオススメです。
暗闇の中を五感を研ぎ澄ませ、壁につけられた数珠を頼りに歩みを進めて再度光の元へと戻ってくることで、生まれ変わった気持ちになる、ということだそうですが、1つのエンターテイメントとして楽しめます。
高いところから京都の街を一望する景色も含め、初心者も楽しめるところだと思います。
最後に
お寺も、行く時期や行った時の心持ちによって、随分と印象が変わります。
平日の仕事の合間に行くとなんだかせわしなく感じますが、年末に行くと静かで心安らぐように感じたり。
季節を変えて、色々なお寺を、何度も拝観したいですね。