星空写真の加工 無料ソフト GIMP での画像編集

山の上は景色が最高ですが、周囲に光が少なく、空気が澄んでいて、星空撮影にも最適です。
私はコンパクトデジカメで星空撮影していますが、撮影しただけではきれいな写真になりません。撮影した写真を編集することで、きれいな写真に仕上げることができます。

最初はMicrosoft Office Picture Managerというソフトで簡易に写真加工をしていましたが、明るい部分(雲や、街の光害や、山小屋やテントの明かりなど)があったりすると、なかなか星が目立たなくなります。

そこで、ここでは、GIMPという無料ソフトを使って、星空写真を仕上げる方法をお伝えします。
なお、仕事で画像編集をしたりするわけでなく、知識・技術ともに未熟ですので、不適切なところがあるかもしれませんが、ご了解ください。

無料ソフトGIMPのインストール

画像編集というとPhotoshopが有名ですが、当然有料ソフトです。
そこで、GIMPという画像編集ソフトを利用します。
Windows版もMac版もあります。無料です。
上記にアクセスすると、ページが英語ですが、インストールすれば日本語で操作できますので、心配なく。
「DOWNLOAD」と記載されたボタンを押して、ソフトをダウンロードして、インストールしてください。

GIMPにおける星空写真の加工 <全体編集:レベル、トーンカーブ>

GIMPを起動して、そこに編集したい写真をドラッグ&ドロップすると、取り込まれます。

ほとんどが真っ暗な写真だと思いますが、単に明るさを強くすると、雲や、街の光害や、山小屋やテントの明かりが強くなりすぎてしまいます。
そこで、以下の操作をします。
メニューの「色」から「レベル」を選びます。

すると、以下のように「色レベルの調整」というウィンドウが開きます。
グラフは、横軸が明るさで、左の方が暗く、右のほうが明るいです。
縦軸がその明るさの場所の量です。
左側、つまり暗いところが多いというグラフになっています。
そのグラフの下に▲や△のマークが3つついており、その範囲の明るさを細かく表現するということのようです。
そこで、明るさの量がある範囲を、両端の△ではさむようにします。つまり、右端の△を左に動かします。

そして、「OK」ボタンを押します。
写真全体が明るくなったと思います。
元から明るい部分は、全体を明るくすると白飛びするほどですが、このやり方だと白飛びするほどは明るくならないというのがポイントです。

真ん中の▲ですが、これを左に動かすと、暗い部分の明るさをもっと細かく表現する(明るい部分はざっくりしか表現されない)という操作になります。
星空写真では暗い部分がほとんどなので、暗い部分の明るさを細かく表現するために、真ん中の▲を左に動かします。具体的には、とんがっている部分の右側にまで動かします。

こうすることで、もともと明るい部分(雲や、街の光害や、山小屋やテントの明かりなど)は明るくせず、もともと暗い部分(暗い星や天の川)だけ明るくすることができます。

以下が出来上がりです。

ここでは「レベル」の機能のみで修正していますが、細かく調整するには、メニューの「色」から「トーンカーブ」を選びます。
トーンカーブは、横軸がそのときの写真の明るさ、縦軸が編集後に明るさをどう変えるか、というものです。
以下の図は、もともと暗い部分(グラフの左側)を明るくする(グラフの上に持っていく)、という操作になっています。
もともとの左下から右上への斜線をクリックしたまま動かして線の形を変えることで、明るさを編集する、という編集方法です。
いろいろ変えてみて、見た目の変化を確認しつつ、最終的にOKとします。

一般的に、編集したグラフが上にペタッとついてしまうと、一部分が白飛びしてしまうのでNGです。
また、右肩上がりにすべきで、部分的にでも右肩下がりになるとNG。

最終的にOKになれば、メニューの「ファイル」から「名前を付けてエクスポート…」を選び、ファイル名を指定して書き出します。

GIMPによる部分編集 <明るすぎるところの調整>

上記のような編集を行っても、もとの写真に明るすぎる部分がある場合には、まだ星がきれいに見えづらいかもしれません。
つまり、雲や、街の光害や、山小屋やテントの明かりのところが明るすぎるという場合、その部分の明るさを抑えるようにします。

GIMP起動時に左側に現れる「ツールボックス」からペンのようなマークの「ファジー選択」を押します。

その次に写真内で明るすぎる部分を押します。
すると、押したところと同じ程度の明るさの範囲が選ばれます。
どの程度同じ明るさなら選択範囲とするかのブレの大きさは、先ほどのツールボックスの「しきい値」の数値で調整します。
ザックリする場合は15程度、細かくやる場合は5程度、といった具合かと思います。

次に選択した範囲の明るさを落とすのですが、このままやると境目がくっきりと線になってしまいますので、境界をぼかします。
メニューの「選択」から「境界をぼかす」を選びます。

すると、以下のようなウィンドウが現れます。

ここで設定する値ですが、これは選んだところと周囲との明るさの差が大きいかどうかで、選ぶ値をチューニングする必要があります。
ピクセル数を指定するのですが、最大でも、写真の画像サイズ(画角)の10%までにしたほうがいいようです。
たとえば、5472 x 3648 pixelというサイズの写真だとすると、最大で300程度です。
ここで数字を入力してOKを押すと、写真内の選択範囲も若干変更されます。

この状態で、メニューの「色」から「明るさ-コントラスト」を選びます。

ここで、「明るさ」の右の数値を-5~-10程度と指定して、OKを押します。
すると、選択範囲が少し暗くなります。
メニューの「選択」から「選択を解除」を押して、全体のバランスをチェックします。
つまり、選択範囲を暗くしすぎなかったか(周囲との間に濃淡の縞々ができていないか)確認します。
暗くしすぎていたら、メニューの「編集」から「…をもとに戻す」を選んで元に戻して、明るさの数値を調整してやり直します。

この操作を明るいところから順番に1~3回繰り返すことで、明るすぎる部分の明るさを抑えることができます。
あまりこの操作を繰り返しすぎると、明るさの縞々ができやすいので、1~3回程度にしたほうがよさそうです。

その後に全体に対して、レベルやトーンカーブで明るさを調整することで仕上げます。

調整の結果(サンプル)

こちらが元写真です。
次に、上記の写真をMicrosoft Office Picture Managerで明るさとコントラストのみで調整した結果です。
槍ヶ岳の上の雲が明るくなりすぎていますね。
星をはっきりと見せるために明るさやコントラストを強くしたいのですが、雲が明るくなりすぎるので調整しづらい状況です。
上記のやり方でGIMPで編集した結果です。
槍ヶ岳の上の雲の明るさを抑えることで、全体的に明るさをあげることができるようになっています。
その結果、山肌の色合いも少し見えるようになっています。
最終的な出来がそれほどキレイでないのは、カメラの性能、写真撮影の腕前、写真編集すべての点で未熟だからだと思います。
ご勘弁を。

最後に

最初に記載したように、仕事で画像編集をしたりするわけでなく知識・技術ともに未熟ですので、不適切なところがあるかもしれません。
こうしたほうがいいよ、というものがあれば、ぜひ教えてください。
また、そもそもの星空撮影の方法は「コンデジRX100での星空撮影」を参照ください。RX100以外のデジカメでも参考になりますよ。
また、よりきれいな星空写真を撮るために太陽・月・天の川の位置を踏まえて撮影時間や撮影する方角を判断する方法は「星空写真撮影のための太陽/月/天の川/天気予報活用」参照ください。

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