登山といえば温泉!という方も多いのではないでしょうか。
下山後の温泉は最高ですね。
今回ご紹介するのは下山後ではなく登山中に入れる温泉、というより登山をしなければ入れない温泉です。
しかも、人の非常に少ない時期に行ったので、一晩貸し切り温泉でした。
鹿島槍ヶ岳や白馬岳のある後立山(うしろたてやま)連峰。
白馬岳の近くには白馬三山の一つである白馬槍ヶ岳がありますが、その山頂の少し下には白馬鑓温泉という天然温泉があります。
夏には小屋ができ宿泊もできますが、雪の時期は人も少ないです。
雪の時期でも、さらに人の少ない時期に白馬鑓温泉に行った際の記録です。
累積標高(上り): 2937 m
累積標高(下り): -2957 m
白馬鑓温泉に行くとなると、通常は猿倉まで行って猿倉から登山開始するのですが、GW直前まで雪のため道路は閉鎖されています。
そこで上記の地図にもあるように、随分手前に駐車し、猿倉まで林道を歩くことになります。
駐車した「おびなたの湯」のあたりは桜が咲いています。
ここから林道を進むわけですが、林道は以下の通り通行止め。
右側を通り抜けて猿倉まで舗装道路をひたすら歩きます。
開通1週間前だったので除雪がされており、猿倉まではただの舗装道路です。
ただ、猿倉に着くと大量の雪。
この猿倉荘の左側から登山開始です。
すぐに分岐(と言っても雪に埋もれていて標識は見えませんが)を左に、白馬鑓へと向かいます。
最初の登りを超えると猿倉台地。
以下のように平らで視界が開けます。
猿倉台地を奥まで行くと、急登があり、そこを登ると小日向のコル。
八方尾根と唐松岳が目の前に大きく広がります。
ここからは一度下ってから白馬鑓へと登り返すのですが、このあたりは以下のように雪崩の跡が多数あります。
白馬鑓温泉までのルートは雪崩の巣です。
雪の状態を見ながら慎重に登っていきます。
夏道ルートは斜面をトラバースしていくのですが、その斜面は雪崩の危険性が高いので通りません。
冬道は一度谷底まで下りて登り返します。
以下の写真の赤線を通っていきます。
上記写真の→マークのあたりまでくると、雪の割れ目に温泉が流れているのがわかります。
左側を通って、割れ目の最上部へ。
割れ目の最上部まで来ると、温泉が湧きだしていますね。
この温泉が下へと流れ、雪を溶かし、雪に割れ目ができているというわけです。
この雪壁を下って、温泉のところへ。
雪壁を下る際に雪が崩れて、あやうく滑落するところでしたが、何とか体勢を立て直して地面に降り立ち、無事にテントを設営。
この日は日曜日。
日帰りのBCスキーの方が来ましたが、その人たちが帰るとあとは誰もおらず、温泉独り占め。
ゆっくりと浸かりたいところですが、なにせ温泉が熱い!
入るだけで一苦労で、長居もできません。
以下のように雪を集め、雪を抱えながら温泉に入ります。
雪もすぐに解けるので、浸かっていられるのは1回3分ほどです。
ちょっと残念ですが、絶景温泉独り占めはぜいたくです。
温泉の熱で床も暖かで、ぐっすり熟睡。
翌朝はテントから朝日を眺めながら朝食。
最後に再度温泉に浸かってから撤収して下山しました。
雪山ですし雪崩の危険もあるため、気軽に行けるところではありませんが、猿倉までの道路が開通する前は、人も少なく、天然温泉をぜいたくに楽しめます。
雪山登山に慣れてきたら、ぜひ行ってみてください。