登山中のこまめな水分補給は、疲れにくさや長時間の持久力に大きく影響しますので、ハイドレーションを使うことがオススメです。
ハイドレーションを使うだけでも効果が大きいのですが、そのハイドレーションに入れる飲み物にも工夫をすることで、効果はさらに大きくなります。
以前は長時間歩くと消化器系(おそらく肝臓)が疲れて登山後に食欲がなくなっていたのですが、飲み物を工夫することで長時間歩いても消化器系(おそらく肝臓)の疲れがかなり抑えられるようになりましたので。
具体的には、ポカリを薄めて塩を足すということなのですが、その詳細をお伝えします。
アイソトニック飲料 vs ハイポトニック飲料
スポーツドリンクは大きく分けて、アイソトニックとハイポトニックの2種類があります。
アイソトニック飲料 | ハイポトニック飲料 | |
どういうもの? | ヒトの安静時の体液と同じ濃度の飲み物 | ヒトの安静時の体液より薄い飲み物 |
糖質濃度 | 4~8% | 2~3% |
ナトリウム (100ml中) | 40~55mg | 40~55mg |
運動前の補給 | ○ | △ |
運動中の補給 | △ | ○ |
商品例 | ポカリスエット、アクエリアス | アミノバリュー、アクエリアスゼロ |
アイソトニック飲料ですが、安静時は体液と同じ浸透圧のため、水分・糖分・塩分がバランスよく吸収されます。
ちなみに、牛乳はアイソトニック飲料と同様の濃度です。
風呂上がりの牛乳がおいしいのは、水分補給として最適だからなのかもしれませんね。
しかし、運動をして汗をかくと、塩分も多く体の外に出てしまい体液が薄くなるので、アイソトニック飲料では水分の吸収スピードは少し遅くなります。
このときに濃度の薄いハイポトニック飲料だと、効率よく水分が吸収されてよいというわけです。
脱水症状の際の経口補水液も、ハイポトニック飲料の一種です。
なお、運動中に糖分を含まない水や麦茶を大量摂取すると、体液が薄まり、体は体液の濃度維持を優先して水分の吸収が後回しになるそうです。
ですから、運動中は水や麦茶などではなく、ちゃんとハイポトニック飲料を飲みましょう。
単にスポーツドリンクとしてではなく、アイソトニック飲料かハイポトニック飲料かを意識する必要があります。
ハイポトニック飲料の作り方
ということで登山中はハイポトニック飲料が最適なわけですが、アイソトニック飲料ほどメジャーではなく、価格もやや高めです。
ということで、私はいつもポカリスエットの粉を薄めて作っています。
糖質濃度を見てみると、ハイポトニック飲料はアイソトニック飲料のざっくり半分です。
ということで、ポカリスエットの1L用粉末を、2Lの水に溶かせばOKです。
ただ、こうすると塩分も半分になり塩分が足りなくなるので、1〜2g程度の塩を溶かせばバッチリです。
ポカリスエットの粉末はテント泊の際にも持参し、現地で確保した水に溶かすことで、現地でもハイポトニック飲料を作れますので、オススメです。
液体の状態で持っていくより、圧倒的に軽いですからね。
ちなみに、ポカリスエットと並んで有名なスポーツドリンクとしてアクエリアスもありますが、アクエリアスには人工甘味料スクラロースが使用されているので、個人的にはあまり使用しません。
ポカリスエットは人工甘味料が使われていない分だけ、糖分が多めです。
2倍に薄めてちょうど、ですね。
あとは、名糖レモネードも、成分として最適だと言われています。
テント泊の際の朝食は、私は決まってフルグラなのですが、フルグラをジュースに入れると食べやすいです。
この朝食のジュースも名糖レモネードで作ると、荷物も減らせて一石二鳥です。
朝食も登山中も同じ飲み物だと嫌だ、という声もあるかもしれませんが。。。
最後に
以前はポカリスエット1L用粉末を2Lの水に溶かすのみだったのですが、長時間の登山をすると消化器系(おそらく肝臓)が疲れて食欲が落ちていました。
これが、1〜2gの塩を足すというひと手間を加えただけで、長時間の登山をしても消化器系(おそらく肝臓)の疲れがグッと小さくなり、登山後にもしっかり食事をとれるようになりました。長期縦走で後半になってもしっかり歩けます。
やはり塩分補給も重要ですね。
ポカリスエットを倍に薄めて塩を足したハイポトニック飲料、ぜひ試してみてください。
なお、効率的に水分補給するために、ハイドレーションの利用もオススメです。