成人式の3連休は例年ご近所さんも一緒に家族でスキーをするのが定番だったのですが、今年はそれがなく妻子もお出かけするとのことで、雪山テント泊をすることにしました。
2年ほど前に時間的に厳しいと判断して撤退した八ヶ岳のキレット超え(権現岳から赤岳)をするとともに、未踏の阿弥陀岳にも登るという欲張りの計画を立てました。
累積標高(上り): 3249 m
累積標高(下り): -3087 m
出発は、富士見高原スキー場。一番奥の駐車場からは、編笠山登山口がすぐそこです。
編笠山までは標識多数で、また途中まで全く雪のない夏道でした。
途中からは雪が出てきて、アイゼンを装着します。
と思ったら、山頂直下の岩場はまた雪がない状態で、なかなか厄介です。
本来はアイゼンを外して登るべきところですが、面倒くさがって、アイゼンつけたまま登りました。
山頂からは八ヶ岳の赤岳などが間近に大きく見えます。
ここからは青年小屋に向けて下山していきますが、この先はほぼ雪道となります。
最後に、編笠山山頂付近のような岩ゴロのところを通過すると、青年小屋に到着です。
青年小屋は「遠い飲み屋」と書かれた赤い提灯が有名な小屋ですが、冬季は閉鎖されています。
ここで軽い昼食を取って、先に進みます。
ここで西岳への下山路を通る人も多く、ここから先の権現岳へと進む人は少なくなります。
この日は先に1人分のトレースがあるのみでした。
ようやく雪山登山らしくなってきました。
雪は10㎝程度~ひざ下程度の深さです。
先頭でラッセルいただいた方には、頭が下がります。
歩いていくと、のろし場を経由して、ギボシの手前に差し掛かります。
本来なら、やや危険度のある雪のトラバースになるはずですが、鎖も出ており難なく通過できます。
そして、ギボシ山頂へ。
ギボシ山頂から権現小屋へは、リッジ(尾根)を通っていきます。
このあたりも、雪が少ないと危険度が随分下がります。
そして、権現小屋に到着です。
ここから先が、キレットとなります。
ちなみに、キレットとは外来語ではなく切戸と書く日本語で、鞍部(稜線上の下がった地点)のうち下がり方が激しいところ、つまり、深く切れ込んだ鞍部のことです。
まずは鎖場。岩と雪のミックスで、慣れていないと気を使うところです。
その先ははしご。完全に露出しているので、問題なしです。
この後は樹林帯には行ったりしながら進んでいき、キレット小屋に到着です。
ここで雪の上にテントを張りました。
※雪山テント泊については、こちらを参照ください。
夜中は小雪が舞う天気でしたが、そのうち雪もやみ、午前4時に起床すると快晴です。
せっかくなので星空撮影。北斗七星を撮ってみました。
その後、朝食を食べて、テントを片付け、6時頃に出発。
少し歩くと樹林帯を超え、展望が開けます。
東には富士山が黎明の時を迎えています。
この時間帯の色合いがとても好きです。
さらに登山を続けると、もっと空が明るくなってきます。
富士山もうっすら赤く染まります。
南を見ると、権現岳がモルゲンロート。
赤岳手前が核心部ですね。
雪が少なく、雪と岩のミックスです。
慎重に進んでいくと、行者小屋からの文三郎尾根ルートと合流し、一気に人が増えます。
合流したところからは、ちょっと登れば無事に山頂です。
赤岳と言えば、この展望。
手前には権現岳・ギボシ。奥には北岳・甲斐駒・仙丈の南アルプスの雄姿。
北を見ると、蓼科山や天狗岳といった北八ヶ岳の山並み。
西にはこれから向かう阿弥陀岳。
赤岳からは一度下ってから登り返します。
阿弥陀岳への登りは急登です。滑落しないように気を付けて。
最後の登り。上を見上げると空の青さが目に沁みますね。
そして、無事に登頂。
阿弥陀岳から見ると、いかつい赤岳。そして、その右には富士山と南アルプス。
そして西には北アルプスが一望できます。
やはり冬は空気が澄んで、遠くまでよく見えます。
さて、下山するわけですが、御小屋尾根はひたすら遠い。
中央の尾根の最後まで下りるイメージです。
3時間ほどひたすら下って、やっと美濃戸口に下山完了です。
美濃戸口からはタクシーに乗って富士見高原まで戻りました。4,100円なり。
雪が少なく残念なところもありましたが、素晴らしい展望を楽しめた登山となりました。