ストックは登り・下りで長さを変えて、体重をかければ楽に登山ができる

慣れればストックがあると、登りも下りも随分と楽になります。
一般的には「ストックはバランスを取る程度で」と言われますが、私はもっとガシガシ使うことで、より楽に、より速く、より長い時間歩けるようになっています。
そんなストックの使い方をご紹介します。

ストックの使い方

ストックの本数

ストックを1本で使う人と2本使う人がいますが、2本のほうが断然ラクです。
ここで記載する「ガシガシ使うストック」の場合は、2本ストックです。

ストックの長さ

次にストックの長さですが、平地ではひじを直角~100度くらいに曲げ、ひじから先を水平にして、ちょうどの高さになるような長さが標準です。
あとは好みで、少し長めにしたり短めにしたり、調整してください。

そして、登りでは5~10cm程度短めに、下りでは5~10cm程度長めにします。
私の場合、登りは5cm短め、下りは10cm長めにしています。

ストックの持ち方

意外と重要なのが、ストックの持ち方です。
スキーと同じですが、ストラップ(輪っか)に下から手を入れ、ストラップの根本部分と一緒にグリップを握ります。

Black Diamondサイトより

こうすることで、手でしっかり握らなくても、ストックに力を伝えられるようになります。
つまり、腕を下げると手首がストラップを押し下げ、その下向きの力がストラップからストックへとうまく伝わってくれるのです。
正しくストラップに手を通さないと、ストックをしっかりと握らなければならなくなり、腕が疲れてしまいます。

ストックの付属品

ストックの先にはゴムのキャップ(プロテクターと言ったりします)がついています。


Black Diamondサイトより

通常は、登山道や木道を傷つけないために、キャップをつけましょう。
キャップをつけていなければバスやロープウェーに持ち込み不可、という場所もあります。
ただし、岩場などではキャップが滑ってしまう場合があるため、キャップは外しましょう。
※「キャップを外すのが基本で、地面を傷つけたくないときだけキャップをつける」というのが標準的とされていますが、土の登山道を歩くことの方が多いですし、現実的にはキャップをつけるべきところがほとんどだと思います。

なお、雪道の場合にはキャップを取り、代わりにスノーバスケットをつけましょう。
ストックが雪に深く刺さるのを防ぎ、体重をかけてもストックがしっかりと体重を支えてくれるようになります。

また、歩いていると、いつの間にかキャップがなくなっているということがよくあります。
私は家に何個か常備しています。


Black Diamondサイトより

ストックの使い方

最後にストックの使い方です。

まず基本ですが、脇が開くと力がうまくストックに伝わりませんので、脇を絞めて(脇と腕の間に隙間ができないように)腕を振りましょう。

平地でのストックの使い方ですが、行進の時に腕を振るように、足に合わせて左右交互にリズミカルに腕を振り、ストックで地面を後ろに押して、前への推進力を得るようにしましょう。
足と反対側のストックを突くことになります。
ストックの先をつくところは足の真横か、やや後ろです。
足の一歩とストックの一押しを毎回連動させていると腕が疲れるので、足の2歩~4歩ごとに両手同時にひと押しするようにしてもOKです。

登りでは、足でグイっと体を上に持ち上げる際にストックでも地面を押すことで、らくに体を持ち上げることができます。
傾斜のきついところでは、まず段差の上にストックを突き、段差の上に足を置くと、足でグイっと体を上に持ち上げる際に、ストックでも地面を押します。
その際に、ストックの方に体全体を寄りかかるようにすると、ストックにうまく体重が乗り、足の負担が減り、腕に負荷が分散されます。
両方のストックを同時に突いて、両腕でストックを押してもOKです。

下りでは、足の着地の際に体重がドンとかかって筋肉疲労を起こします。
これを軽減するために、足の着地の前にストックを突き、そちらに力を加える(体重を乗せる)とよいです。
ストックの横に置くような感じです。
最初に記載したように、脇を絞めて(脇と腕の間に隙間ができないように)力を加えて体重を乗せるのがポイントです。
大きな段差の場合には、両方のストックを突くといいですね。
ただ注意点は、突いたストックが滑ったりする場合もありますので、ストックが滑ってしまっても問題ない範囲で体重移動をするようにしましょう。

なお、「ストックに体重を乗せる」というのは、あまり一般的ではありません。
一般的にはバランスを取る程度で、と言われています。
これは、ストックが滑る、ストックが曲がる、などの場合に危険ということがあります。
ということで、ストックが滑ったり曲がったりすることが起こりうると認識したうえで、そうなっても問題ない場所で行うようにしましょう。
つまり、安全な登山道ではストックに体重をかけて歩きますが、急な下り坂や岩場では補助程度の使い方にしましょう。

また、ストックに体重を乗せるという場合には、適したストックを使う必要があります。
体重を乗せるには不向きなストックもありますので、次をご確認ください。

ストックの選び方

先ほど記載した「体重を乗せられるストック」とは、体重をしっかりとかけられる、比較的太くて固いストックということです。

  • 比較的太目で、弓のようにしなったりはしない
  • 長さ調整するロックをきつく締められる
  • アンチショック機能はない
  • 折りたたみ式や回転式ロックよりも、レバー式ロックのほうがよい

折り畳み式はやや弓のようにしなりやすく、回転式ロックは体重をかけた際にロックが緩んでしまいやすい印象です。
レバー式ロックが最も安定しているという印象です。

私の使用しているストック

ちなみに、私の使用しているストックは、Black Diamondのトレイルという商品です。

このストックは、ガッツリと体重をかけても安定感があり、力がダイレクトに地面に伝わっている気がします。
しっかりとしたストックの中では安価で、スノーバスケットも付属していて、オトクです。

また、先ほど記載しましたが、キャップがちょくちょくなくなるので、モンベルのストックキャップを家に何個か常備しています。
ストックとはメーカーが違うのですが、Black Diamondよりモンベルのものが外れにくい印象です。

最後に

ストックを使うと、より楽に、より速く、より長い時間歩けるようになります。
ストックを使って、楽しい登山を!

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