登山は他人と比べたり時間を競ったりする競技ではないので、自分のペースで歩けばいいわけですが、そうは言っても長く遠くまで歩けるといいですよね。
ということで、長く、そして遠くまで歩くための、疲れにくい歩き方をご紹介します。
疲れにくい歩き方のポイント
疲れにくい歩き方には、いくつかポイントがあります。
あとで詳細の説明をしますが、まずはポイントです。
- 歩き始めの30分は、意識してゆっくりと
- 筋肉痛にならない程度のスピードで歩く
- 背筋はまっすぐ
- 重心の上下への動きをできるだけ小さくする
- ストックを使う
では次から、個々の細かな内容を見ていきます。
歩き始めの30分は、意識してゆっくりと
歩き始めは筋肉がまだ目覚めていない状態です。
この運動の最初に、いわゆるストレッチをするのは意味がない、あるいは逆効果、と最近のスポーツ科学では言われています。
強制的に筋を伸ばしても効果が持続しないし、腱(けん)を伸ばすと腱がたるんでその後の運動での筋肉収縮にうまく対応できない、ということだそうです。
では、どうすればいいかというと、体を軽く動かしながら筋肉を伸ばす「動的ストレッチ」がよいと言われています。
心拍を上げて体温を高めるとともに筋肉の可動性を高めることで、けがの防止を図ることができる、登山のパフォーマンスを向上させられる、ということです。
ということで、登山口でラジオ体操のように動的ストレッチをしてから登山を開始すればいい、というわけです。
ただ、どうせラジオ体操をするくらいなら、その労力で登山をすればいいじゃないか、というのが私の考えです。
ただ、登山は坂道を登るという負荷のかかる運動ですので、それを非常にゆっくりとやることで、動的ストレッチレベルにまで落としてやろう、ということです。
平地を普通に歩いているときと同じくらいの負荷になるように、非常にゆっくりと歩いていくわけです。
これを意識するようになってから、左ひざの痛みが出にくくなったように思います。
歩き初めに負荷をかけると、弱い膝の筋肉に疲労がたまり、下山時の負荷で一気に痛くなる、ということだったのではないかと思っています。
もちろん、ゆっくり歩くのは、動的ストレッチほど筋肉の動かす範囲が広くないので、動的ストレッチをやってから歩き始めるほうがいいと思います。
私は面倒くさいので、ゆっくり歩くことで一部代用している、現状これで問題ないのでゆっくり歩くだけにしている、という状況です。
筋肉痛にならない程度のスピードで歩く
筋肉痛になってしまうと、数日間直らないですよね。
登山中に膝がプルプル震えるというのは、膝の周囲など足の筋肉が筋肉疲労で力を発揮できなくなってしまう状態です。
筋肉疲労、筋肉痛に一度なるとその日の登山中に回復することはないので、筋肉痛になる前に対処する必要があります。
歩いていて、疲れたな、筋肉が披露してきたな、と思ったら、早めに休息をとるべきです。
筋肉痛、筋肉疲労になる前に回復させるのが重要と思います。
一方、歩いていて息が上がるのは、高山病を除けば5~10分も休憩すれば回復するので、あまり気にしません。
持久力や心肺機能の苦しいのは多少無理をしてもいいが、筋肉疲労には敏感になるべき、というのが私の考えです。
背筋はまっすぐ
私は猫背なのできっちりと実践できていないのですが、背筋を曲げると体やザックの重みが地面にまっすぐ伝わりません。
そうなると、曲がった分だけ重みを腰などの筋肉で支えることになり、疲れてしまいます。
体はまっすぐに、体やザックの重みを地面にまっすぐ伝えるのがいい姿勢です。
重心の上下への動きをできるだけ小さくする
これは一般に小股で歩こう、と言われているものです。
小股だと歩いている際に筋肉に大きな力が加わらないので、筋肉疲労になりにくい、ということですね。
ただ、個人的には小股というだけでは不十分だと思っています。
- 水平方向には大股で歩いても問題ない(1日に長距離を歩くには、ある程度大股で歩くことも必要)
- へその少し下にある重心(東洋では「丹田」と言いますね)が上下方向に大きく動かないようにすることが重要
- 段差があれば、途中のくぼみなどを見つけて、そこに足を乗せ、できるだけ一歩での重心の上下方向の移動を小さくする
小股で歩くということでもだいたい同じなんですけどね。。。
ストックを使う
ストックを使うと、随分と楽になります。
詳細は以下を参照ください。
最後に
楽しく歩ければいいのですが、段々と色々なところに行きたくなり、そのためには長時間歩く、長い距離歩くことが必要になってきました。
本当はランニングなど日ごろからの基礎体力作りをしっかりするのが一番なのですが、ズボラでなかなかできないので、登山当日にいかに疲れないか、ということを考えてきました。
多少でも参考になる部分があれば嬉しいです。