私はモンベルのアルパインクルーザー2500で雪山テント泊までこなすわけですが、あまり一般的ではないのも事実です。
モンベルのアルパインクルーザー2500は雪山登山でどの程度使えるのか?
結論としては「そこそこ使えるが限界はある」ということなのですが、その詳細をお伝えしたいと思います。
モンベル アルパインクルーザーとは
まず、モンベルのアルパインクルーザー2500は、以下のような商品です。
- 春から秋にかけての縦走、冬の低山ハイクなどオールラウンドに使用できる
- GORE-TEXの天然皮革製
- 保温材は入っていない
アルパインクルーザー2500は、通常の夏山縦走にも対応する登山靴として使用するには、とてもよい商品だと思っています。
- 足型が日本人に合った幅広サイズ
- GORE-TEXで、作りもしっかりしている。靴底(ソール)の張り替えもOK
- 靴底(ソール)は、旧製品のビブラムソール、現行製品のトレイルグリッパーで、グリップ力が高くて滑りにくい
- 他メーカーの同等製品の中では安価
- 日本メーカーのモンベル製でサポートがしっかりしている
- なお、日帰りのライトな登山をするには重い
アルパインクルーザーの雪山登山でのメリット、デメリット
では、夏山縦走として十分だとして、雪山登山はどうなのか?
実際にアルパインクルーザー2500を雪山登山として使って感じたメリット、デメリットをまとめてみました。
メリット
- 夏山と共通化できるので、低コスト
- 皮製品で、底もそこそこ柔らかく、歩きやすい
- 3シーズン用の登山靴に比べると寒くないし、アイゼンを装着しても“それなりに”安定感はある
デメリット
- 保温材はなく、やっぱり足先は寒い
- どの雪山に行っても足先は寒いですし、マイナス15度を下回ったり強風にさらされると足先は痛くなる
- 靴底が少し柔らかいので、歩いた際のアイゼンの密着度は厳冬期用より低い
- 固い雪壁にアイゼンをけりこむようなときは、アイゼンが外れる懸念はある
その他
- コバはついておらず、ワンタッチやセミワンタッチのアイゼンは装着できない
アルパインクルーザー2500でも、厳冬期の木曽駒ケ岳や西穂高岳に登れます。
天気のいいときに、休憩を少なく体を常に動かすようにして、温かい飲み物をこまめに飲みながら登山する、ということをこれまで守ってきて、凍傷になるようなことはありませんでした。
ただ、いざ天気が急変したり、何らかのアクシデントがあると状況はひどくなりますし、凍傷になることはなくともやっぱり足先は冷たいです。
ということで、本格的に厳冬期登山をするのであれば、しっかりとした雪山登山靴を購入すべきです。
以前は雪山登山靴と言えばプラスチックブーツが主流で、5年程度で経年劣化するという状況に比べれば、現在の化学繊維の登山靴なら比較的長持ちしますので、買いやすくなってきています。
アルパインクルーザーを購入する際の最適な用途
雪山登山靴としてアルパインクルーザー2500を買うのは、反対です。
雪山登山靴専用としては、保温材の入った雪山登山専用の靴を購入すべきですので。
考え方として、すでに4シーズン用登山靴(アルパインクルーザー2500など)を持っていれば、それで対応できる範囲で雪山に入っていき、限界を感じたら厳冬期用登山靴(アルパインクルーザー3000など)を購入する、
3シーズン用登山靴しか持っていなければ、厳冬期用登山靴 (アルパインクルーザー3000など) を購入する、という買い方がよいと思います。
一方、日帰り登山のトレッキングシューズしか持っておらず、テント泊や縦走のためのしっかりとした登山靴が欲しいという場合に、雪山登山も見据えて4シーズン用登山靴を購入するという点では、アルパインクルーザー2500はいい靴だと思います。
ということで、本格的に雪山登山をするのであれば、アルパインクルーザー2000とアルパインクルーザー3000を使い分けたほうがいいというのが、私の中の結論です。
アルパインクルーザー2500の耐用年数(寿命)については以下の記事をどうぞ。
登山靴以外の雪山装備は、以下を参照ください。